【FF7】VYアドベントカレンダー 12/07~12/12 - 7/7

12.イルミネーション

 

「わあ、きれーい!」

大通りをまるまる一本使ってのクリスマスイルミネーションは、エッジでは初めての試みと言うこともあってか大変盛況のようだった。土地柄で普段はいささかボリュームが物足りない街路樹や、通りに面してはいるものの建材がばらばらで統一感のない店舗の数々が、夜闇の中にきらきらと光る小さな明かりに縁取られたオブジェとして新たな一面を見せている。車両通行止めにされた通りにはたくさんの露店が並んでおり、あたたかな湯気を立てる食べ物や飲み物はもちろん、土産物や記念品の小物を売る店や、子供向けのミニゲームを提供する店なども数多くあった。
夜だというのに昼間以上の人出だった。美しい光景に見とれて足を止めがちなユフィが人ごみに流されないよう、ヴィンセントは彼女の手を取った。もう片手には露店で買ったホットワインの紙コップを持っている。

「ね、きれいだね!」
「そうだな」

弾んだ声に相槌を打ちはしたものの、実のところヴィンセントの視線はイルミネーションよりもユフィを見るのに忙しかった。美しいイルミネーションにうっとりと目を細め、露店の食べ物に目移りし、珍しい小物の値札に一喜一憂する。きらきらと顔を輝かせてはしゃぐユフィの表情は、いくら見ていても飽きないものだ。

「こういうの、もし上から見たら地上の天の川みたいに見えるのかなあ」
「そうかもしれんが、いささかスケールが足りんだろう」
「何年後かにはもっと大きくなってるよ、きっと!」

見てみたいなあ、とユフィは楽し気に話す。

「上から見たいのなら、お前はまず乗り物酔いをどうにかしなければな」
「うっヒドイ。そんなこと思い出させないでよぉ……」

言葉とは裏腹にくすくすと笑いながら、ユフィはヴィンセントの腕を引いた。

「あっちの露店見たい!」

人波に逆らって歩き出すユフィはやはり自由だ。ぴったりと二人くっついて歩きながら、ヴィンセントはユフィの言う”何年後”かに思いを馳せる。
油田が発見され電力の供給に安定の目処がついたからこそ可能になったイベントは、今回の成功を受けて、おそらく一般の店舗や街路へも広まっていくのだろう。もしかするといずれは本当に、星の外からもこの光の河が見えるような規模へと発展するかもしれない。
あれほどの困難に遭っても人々は少しずつ、さまざまな問題を乗り越えていけるのだ。
ささやかだが確かな一つのゴールともいえるこの光景に、ヴィンセントはホットワインでひそかな祝杯を掲げた。

 

POSTSCRIPT:VYアドベントカレンダー

 

送信中です