【FF7】VYアドベントカレンダー 12/07~12/12 - 5/7

10.クリスマスの装い

 

「ね。こーゆーのどう?」

ソファでくつろいでいると、なんの脈絡もなく隣のユフィがそう言って、ヴィンセントに携帯端末の画面を見せてきた。
そこに表示されていたのは女性物の衣服の写真だった。ベルベットのような赤い布地に白いフェイクファーの縁取りがされた、ケープとワンピースのセットだ。その丈があまりに短いので、着用例の写真がなければ子供用かと思うほどだ。
いわゆる、一般的にはミニスカサンタなどと呼ばれる類の衣装である。

「どう、とは?」
「クリスマスに」

ヴィンセントはもう一度画面を見、そしてユフィを見た。

「欲しいのか?」
「ちがーう! 着てあげようかって言ってんの!」

恥ずかしがるでもなくユフィは叫び、ヴィンセントはいぶかしげに片眉を上げる。
それはどうやらユフィの望む反応には程遠かったらしく、彼女は唇をへの字に曲げて遺憾の意を表明している。

「も~、アンタ情緒を解する心ってもんをどこに置いてきたのさ」
「人並みにはあると思うが」

ヴィンセントは男だ。この場合の情緒と呼ばれるものはもちろん、理解している。ただ態度として表に出すべきものではないと考えているだけだ。
むしろ理解していないのはユフィの方だろう。彼女はヴィンセントを――男を、どうにも過小評価しがちだ。
ヴィンセントは真面目な顔を崩さないまま、何気ないふりでユフィへ手を伸ばし、宥めるように指先で髪を梳いた。ご機嫌取りだと勘違いしたユフィが嬉しそうに体重を預けてきたので、その細い肩を抱く。

「つまりお前は」
「うん?」
「私がクリスマスにもらうプレゼントの中身をすぐさま取り出せるよう、わざわざ簡易的な包装を提案してくれているのだと。そう考えていいのだな?」

目を合わせヴィンセントがにこりと微笑んでやると、ユフィはそれに一瞬見惚れ――慌てたように身を引いた。正確には、引こうとした。その肩には既にヴィンセントの手が回されており、びくともしなかったわけだが。

「プ、プレゼントって」
「合っているだろう」
「なっ、あ」

ユフィの顔は真っ赤だ。その反応に気分を良くしたヴィンセントが追い打ちをかけるように顔を近づけると、彼女はひゃあ、と妙な声を上げてぎゅっと目をつむった。白旗だ。
くっくっ、と笑い声を漏らしたヴィンセントがその瞼にキスを落とす。ややあってそろりと開いた目が、悔しそうにヴィンセントを睨んだ。

「訂正を要求するっ」
「聞こう」
「簡易的じゃなくって、特別な! ラッピングなの!」
「ふむ、その通りだ。間違いを認めて訂正しよう」

どちらにせよやることは変わらないが、とヴィンセントは内心に呟いた。
ウータイ以外の地域では、プレゼントの包装はすぐさま破いて開ける方が一般的だということを、果たしてユフィは知っているのだろうか?

 

「特別なプレゼントだからな」
「大事にしてよ」
「もちろん」

 

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